僕は「せっかくメーカーに技術職として就職するならBtoB企業よりBtoC企業の方が良い」と思っています。
理由は
- やりがい・楽しさ
- 働き方(ワークバランス)・環境
- アイデアの実現のしやすさ
などで感じるメリットが主です。今現在も実際にBtoC企業(電機メーカー)でものづくりをしている僕が思う内容を書いてます。
ただし僕はBtoB専業メーカーで仕事をしたことはないので公平な意見ではない可能性があることは付記しておきます。もちろんBtoB企業を貶めるような意図などは毛ほどもありません。
が、「ものづくりやるなら僕はBtoCメーカーがおすすめだよ~」と思っているので、今回はそんなお話です。
BtoBとBtoCについて軽く説明
つまんない概要説明は他のサイトに任すとして、僕が考える両者なりの立ち位置をまず説明しておきたいと思います。
僕が勤めている会社は電機メーカーなので、「BtoC」といえばそれはつまり
僕ら一般人(エンドユーザー)の手に直接渡る「市販商品」
を主に作っているメーカーということになります。
例えば
- 冷蔵庫
- スピーカー
- モバイルバッテリー
- HDMIケーブル
- モニター
などが分かりやすい例でしょうか。「家電」と言い換えてもいいかもしれません。
しかし、実はBtoB事業もやってます。
- 住宅用の給湯器
- 自動車部品(メーターなど)
- 商業施設用の照明機器、大型ディスプレイ
- 研究開発用途の測定器
などはBtoBと呼べるでしょう。また、「OEM」と呼ぶこともよくあります。それは自動車業界が多めかな?
OEM(オーイーエム、英: original equipment manufacturer)は、他社ブランドの製品を製造すること、またはその企業である。日本語では「相手先(委託者)ブランド名製造」、「納入先(委託者)商標による受託製造」などと訳される。
今挙げている例は全部"たとえ"なので、本当にやっているものもあればやってないものもあります。その辺はご勘弁ください…。
僕が今回「BtoCの方が良いよ~」というポジションを取っているのは、
- 自分が今メインで関わっているプロジェクトは全てBtoC商品である(わずかにBtoBの経験あり)
- その経験プラス、社内のBtoB事業をやっている部署、友人などの話を聞いた感想
などを踏まえてのことです。
ちなみに、電機メーカーだと大手であればあるほどBtoCだけではなくBtoB事業もやっている可能性は高くなると思います。僕らが社名を知らないようなもともとBtoBメインの会社は別ですが、例えば「総合電機メーカー」と呼ばれる大手8社も何かしらBtoBの事業を抱えています。
ビジネス相手が企業になるので儲けも大きくなりやすいのが理由だと僕は思ってますが、こと純粋なものづくりで考えたら、絶対に市販商品(BtoCビジネス)の方が楽しいし面白いと僕は思っているよ、というのが今回の趣旨です。
では内容へ!
「やりがい・楽しさ」に関わる部分
ここでいう「やりがい」とは「作ったものがどう違うか?」に起因する話です。
BtoCメーカーはとても単純です。お客さんが欲しいと思うものを考えて、それを作ったらお店に卸してもらうだけ。最近ならネット販売でもいいですよね。
そしてそれを直接買うお客さんは、エンドユーザー、つまり僕ら一般人です。
そして買ったお客さんは「これいい商品だな!!」とか「ここだけ惜しかったなあ…」とか色々言ってくれて、話題になってどんどん売れていって…みたいな展開を見ることができます。
ものづくりで何より楽しい部分なのは「自分の手掛けた商品が実際に世に出て、実際に多くの人に使われること、そしてそれを自分の目で見られること」だと確信しています。
もちろん人によって意見が違うのは承知してますが、僕の同期もメーカーを志望した理由は8割以上がこれですし、40代以上の先輩に聞いても皆同じことを言います。それくらい自分が作ったものを使ってもらえることってすごく感動するんですよね。
BtoBはどうでしょうか。
BtoB、対企業ビジネスでは作ったものは企業に納めます。当然ですね。
なので、僕らが手掛けた商品が直接お店に並ぶことはありません。
その商品が一般のお客さんに買われているところも見られないし、ましてやクチコミが見られたり話題に上ったりすることもありません。
あんまり話を引き伸ばしてもつまらないのでダイレクトに言ってしまいますが、これ、シンプルに悲しくないですか?
せっかく自分の時間と手間と技術をかけて作ったものが、誰の目にも止まらず誰が作ったのか名前も知られず市場に出ていく…。うおおおおお!もったいない!!悲しい!!!
もちろん
- 納めた企業さんの役には立っている
- その企業さんが提供する商品やサービスを使うエンドユーザーはいるので、間接的に僕らの手にも渡っている
という考え方はできます。
実は僕も、入社してすぐ入った部署はBtoBビジネスのプロジェクトだったんですよ。
で、作っていたその商品(「モジュール」に近かった)は無事お客さんのメーカーが提供する製品に組み込まれたわけです。
僕らからすると、もちろんそれはそれで達成感はあるんですが世間の評判は「◯◯(納めた企業さん)の△△(製品)はいいなあ!」にしかならないんです。僕らの名前は認知されません。
分かってます、当然です。
例えば新しく買ったiPhoneを見て「今回のディスプレイを作ったメーカーはさすがだなあ!どこ?やっぱりジャ◯ンディスプレイ?」とかって普通はならないわけです。「iPhoneって画面綺麗だなあ」で終わりですよね。
でもなあ、僕にはどうにもこれが悲しくて。
せっかくものづくりとしてメーカーの仕事を楽しむなら、やっぱりお客さんが直接手に取って喜ぶ顔を見たくないですか?「それ作ったの俺なんだぜ」って心の中でドヤれるんですよ?(直球)
今僕が関わっているプロジェクトも無事花開けばBtoCとして市販商品になる予定なので、ぜひ頑張りたいところです。この話はいずれまたこのブログでもしようと思いますのでぜひ!
「働き方(ワークバランス)・環境」に関わる部分
2つめは働き方や労働環境などに関係する部分。
やや偏見や世間知らずな要素がありがちかと思ってますのでそこはご了承ください。
さっきは「作ったもの」に着目しましたが、今回は「作ったものを買ってくれる相手」に着目します。(ほとんど同じ?まあいいか笑)
買ってくれる相手は
- BtoCはエンドユーザー、一般ユーザー
- BtoBは企業などの団体や組織
となります。つまり僕らの完成を待っている相手が違います。
もっと言うとBtoCでは待たれることはあまりないでしょう。
これは「責任を負っている相手が違う」ことも意味していて、それはそのまま毎日の仕事への重圧も変わってくるという話です。
相手が企業ともなると納期は絶対です。決められた期間でものを作らなければならないのはもちろん、その納期を契約するときも悠長な計画を伝えるわけにはいかない。簡単に言うと「大変」。

※あくまでもイメージです。右のBtoCでも「全く急がなくていいよ」なんていう社長はいないでしょうし。でも間違いなく「差」はあります。
とお思いかと思いますが、わりとマジで半分そう思ってます。
そもそもBtoBビジネスでは「◯◯円払うのでこれ作ってください」と言って仕事がスタートするのが普通です(もちろん例外あり)。つまり「ものづくりを始めた時点で責任が発生している」んですよね。
対してBtoCの場合、そのメーカー内で商品が完成したら発表すればいいわけで「それまでに顧客に対して責任は発生していない」と考えることができます。

「CSR(企業の社会的責任)が~」とか「そんな会社に株主は付かないだろ~」とかそういうのは置いといてください。笑
あとの話は簡単です。
- 完成を待っている人がいるのと
- 完成を待っている人がいないのでは
どっちが普段の仕事の環境として良い状態になり得るでしょうか?ということです。
いいですか?一応言っておきますが一般論の話です。
いくらでも逆のパターンや例外はあるのは僕も知ってますということはご理解ください。
しかし僕の会社ではやっぱり上記の一般論が綺麗に当てはまっちゃってます。
BtoB事業の部門は比較的忙しそうだし、なんというか「振り回されてる感」があるのは本当にかわいそうに見えます。まあ僕も一歩間違ったらそっちに飛ばされなくもないんだけど…。
「納期の絶対力が強い」ので休みが取りにくくなるみたいのもないと言えない感じですね。本当はおかしいんですけどね…。
反対にBtoC部門はやっぱり伸び伸びしているように見えます。自分たちで決めて進めていける風土があるのは大きな違いと思えます!
中には面白い例外もあります。
それはApple。
彼らは世界有数のBtoC専業に近い超巨大企業です。
でも、iPhoneを見てみると…。
「毎年9月に新モデルが発表される」と世間は知っていますよね。別にAppleは毎年9月に発表しなきゃいけない呪いにかかっているわけでもなく、自らそうしています。つまりBtoCメーカーなのに自分たちを待つ存在を自分たちで作り上げているんです。ブランド戦略の一種だろうなあと思ってます。
しかしそうでもない限り、市販される商品をいつ作っていつ出すかはそれぞれの企業が自由に決めてよいもの。やっぱり僕はBtoCメーカーがいいなって思いますね。
アイデアの実現のしやすさ
最後は「アイデアの実現のしやすさ」について。
ここもやや偏見があったらごめんなさいです。
ものづくりたるものの、誰しも「自分が考えて企画した商品を世に出せたら」と思いますよね。しかも技術者なので「考えて、しかも実際に作れる」わけです。いやーこれができたら超楽しい。
これをBtoCとBtoBで考えてみましょう。
- BtoCはシンプル。
その会社が「お客さんが欲しいと思われるもの」を考えてそれを直接作るので、社内でコンセプトを検討して商品化していくのが基本。 - BtoBはどうでしょう。
BtoCと同じようなケースももちろんありますが、それ以外にも「君たちの会社はこれが得意そうだから作ってよ」みたいなパターンがありそうですよね。
どちらの方がより自分たちの作りたいものだけを作っていけるか、というとそれはBtoCかなと思います。
しかし実際にはそんなに単純な話ではありません。
自分たちが作りたいものだけを作っている会社が果たして売上を上げて生き残っていけるか、というともちろん無理ですよね。しっかりユーザーを見て商品づくりをしないといけません。
それにひきかえBtoBメーカーは「ある業種の企業には確実に使われる」という確かな需要があるので売上は安定しやすい、という側面があるでしょう。
まあそんな経営の話は上に任せといて(笑)、自分がせっかく就職するなら作りたいものを作れる会社に入った方がいいんじゃない?というのが僕の意見です。
これは結構運頼みになると思いますが、「技術で入社した身分で自分が作りたいものをアイデアから検討していける」というポジションになれたらめちゃめちゃ楽しいですよ。「どう実現していけるか」まで考えられるので、技術者冥利にも尽きますし!
個人的な意見が強めの記事になっちゃいましたが、BtoCメーカーの良いところが少しは伝わりましたでしょうか??
あ、大事なことを言ってなかった。
BtoCメーカーの方が一般に社名が認知されやすいので承認欲求もイイ感じってのは大事な要素だと思います。笑

合コンでネタにされる「竹中工務店」や「村田製作所」よりはきっといいはず…。
BtoCのものづくりメーカーに就職したい!と思った方は…
この記事をお読みの方は具体的に転職や就職が近い人が多いのでは。
技術系の仕事をしているならBtoBメーカーやITエンジニアの方も多いかと予想してますがどうでしょう?
転職サイトの選び方にもコツがあって、今回に限っては「非公開求人や隠れたホワイト企業をたくさん紹介します」という趣旨のものはやや合わない傾向があるので注意してください。
ここまで読んでいただけたらなら理由はもうお分かりですよね。名前が一般に知られている会社は、それすなわちBtoCメーカーとして大きい企業であることが多いからです。
なのでシンプルに大手の求人が多い転職エージェントサイトを使いましょう。
有名どころから選ぶおすすめは以下の2つあたり。(リクナビNEXTは転職サイトです)
とにかく大きくて有名な会社を狙うなら、とにかく大きくて有名な転職エージェントマイナビジョブ20'sを使うのが手っ取り早いです。
「オリコンランキング~」みたいな胡散臭いのではなく、冗談抜きで20代の転職者数はマイナビジョブ20'sが一番多いと言われています。登録しない理由は一切ないのでとりあえず無料登録しておきましょ。
エージェントではなく転職サイトとして使いたいならリクナビNEXTもかなりおすすめ。転職に成功するほぼ全ての人はリクナビNEXTを利用サイトの1つに挙げています。案件数はピカイチでしょう。
大事なことを言っておきますが、転職サイトは複数登録して使うのが普通です。なるべく多くの求人を受け取れた方がいいのは当然ですもんね。しかも登録はどこも無料なんだし!
というわけでこの機会にどちらも登録しておきましょう。
今すぐ転職する気がない方も、登録だけは先にやっておいた方が少なくとも損はないですよ。
というわけで、BtoCメーカーを意識している方に向けて現役エンジニアが色々思うことを書いてみる記事でした。
ものづくり、本当に楽しいのでぜひそのままその夢を叶えて欲しいなと思います。
まずは転職サイトに無料で登録するだけでいいんだから、とりあえず行動してみましょう!
ではでは、今回もお読みいただきありがとうございました。