【ポータブルナビ取り付けの際に注意すべき法律】車検や違反の対象は?

【ポータブルナビ取り付けの際に注意すべき法規制】車検や違反の対象は?

車の運転席周辺になにかを取り付けるときは「車両の法規制」に注意が必要です。

車は凶器なので、実は色んな細かい決まりごとがたくさんあります。これを守らないと車検に通らないどころか単純に違反となって点数が付いたり罰金になったりする恐れもあるのでとっても大切です。

そこで今回この記事では、

  • そもそも車両法規ってなんなのよ?
  • ポータブルナビの取り付けではどこを気にすればいいの?

というメニューで進めていきます。

この辺の話はどこのサイトでもふわっとしか書いていないことがほとんどなので(その理由もあるにはあるので後述します)、ちゃんと説明してみます。

先に結論を言っておくと、ポータブルナビをダッシュボード上に設置するのは実は法にがっつり抵触します。それについてもまた後ろで。

そもそも「法規制」とはなんのこと?

さて、ここで1つ問います。

車に関するなんらかの違反をしたとき、それは一体「何に対して違反している」ことになるでしょう?

 

 

焦らしてもつまんないので結論からいきますが、「道路運送車両の保安基準」というものに対して違反している、ということになります。

この問いに対して浮かんだ答えは

  • 車検に通らないから違反
  • 道交法(道路交通法)違反

などだと思いますが、実は厳密にはどちらもほぼ間違っていないです。

さっき言った「道路運送車両の保安基準」とは「道路運送車両法」という法律の中で定められているもので、よく聞く「道交法」(道路交通法)とほぼ並列なものです。関連がかなり強いんですね。

traffic-law-relation-for-portable-navigation

例えば「自動車の種類及び区分方法」は道路運送車両法と道路交通法のどちらにも規定されている部分があるんですが、車の検査/登録/届出/保険なんかは道路運送車両法による分類、免許や交通取締については道路交通法による分類が使われています。

で、「道路運送車両の保安基準」で決めている基準というものが、いわゆる車検の基準になるんです。この辺は全部が関係しあっている感じなのでどれも間違いじゃないよ、というお話でした。

日本の車に関する法律はかなりややこしくて、あっちこっちに色んなものが散らばっているのでさらに理解が大変です。

が、ポータブルナビのように運転席付近でなにかを取り付けるとき確認するべきなのは「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の第39条、第183条、第195条だけでOKです。…多いな!!

実際のルール内容

関わるところ全部をうまくまとめてお伝えしていきます。なるべく噛み砕いて分かりやすく説明しますね。

さっきの「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」で記載されている情報をベースにしています。

大きく4つ。

1.窓ガラスに貼っていいもの

適用法規
道路運送車両の保安基準第29条
細目を定める告示第195条

窓ガラスは運転するときに一番外界の情報を得るために使う部分なので、当然勝手に物をペタペタ貼ったりしてはいけません。窓ガラスに貼付して良いものはしっかり決まっているんです。

ここ数年の車社会の変化を受けて、ドライブレコーダーの貼付も正式に認められました。
(いやむしろ遅すぎなんだけどね…。日本はほんとこういうとこだめよね…。)

貼って良いものは以下。僕がスーパー意訳してます。

  • ルームミラー(もしくはそれに代わる規定された範囲の後ろの状況が分かるもの)
  • ETCなどの通信設備
  • ドラレコ(車室内用カメラも含む)
  • ドラレコ以外の用途のカメラ(アラウンドビューモニターやその他危険察知デバイス、車室内のアイトラッキングや赤外線カメラなど)
  • タクシーなど用の防犯カメラ
  • 車間距離の測定器(最近の車は前に近づきすぎると音が鳴りますが、アレです)
  • 雨センサー(オートワイパー用)
  • 温湿度センサー(空調用)
  • 光センサー(ヘッドライトとか諸々用)
  • アンテナ(これは棒のことではなくて、「フィルムアンテナ」という透明で薄いもの)
  • 曇り防止装置、ワイパー凍結防止装置
  • 在日米軍の登録標章
  • 透明であるもの(※可視光線透過率70%以上のものに限る)
  • 盗難防止標識(「24h REC」とかそういうやつ)
  • 大型特殊自動車のガラス取付用金具(これだけよく知りません)
  • 窓ガラス情報表示(ガラス自体の製品表示のこと)

たくさんあるなって思うと思いますが、実はこのうちのほとんどは既に標準装備されているので意識することがあるのは極一部です。そしてそれはやっぱりETCやドラレコとかっていう、一般的な市販の電装品系だと思います。

いくつか補足しておくと、まずフィルムアンテナっていうのはこんなやつです。

vics-wide-film-antenna

よく車のフロントガラスに付いているこれです。

フィルムアンテナは、今だと

  • 地デジ
  • VICS WIDE(渋滞情報のためのもの)
  • ラジオアンテナ

あたりで使うものです。ラジオはまだまだ棒タイプが多いでしょうか。逆にGPSアンテナはもう貼り付けタイプは見かけないですね。

あと「透明であるもの」というのがありますが、これは透明ならなんでもいい訳ではなくて、透過率が70%以上のものなら貼ってもいいよということになっています。透過率とは簡単に言うと「光が70%以上通過するもの」ということで、「透明度」みたいな理解でOK。

「大型特殊自動車のガラス取付用金具」っていうのだけ僕はなんのことか知らなくて、どなたかご存知の方いらっしゃいましたらコメントいただけると嬉しいです。

2.窓ガラスに何かを貼っていい範囲

適用法規
細目を定める告示第39条

「窓ガラスに貼って良いもの」は上述の通りですが、今度は「それをどこに貼って良いのか」も注意しなければなりません。

ここで定められているのは大きく分けると2パターン。

1.ルームミラーの後ろ

1つ目は簡単で、「ルームミラーによって隠れる位置」は貼って良いよ、というもの。

in-a-car-room-mirror

どっちにしろドライバーから既に見えていないのでそこには自由に貼っていいですよ、ということです。分かりやすいですね。

しかしこの位置はドライブレコーダーに占有されていると思ったほうがいいです。

まともな録画ができる場所で正式に貼付可能な範囲はここくらいしかないので、ドラレコを付けるならこの位置を利用するようにしましょう。「付けているのを忘れる」というデメリットもなくはないですが。笑

2.フロントガラス内での細かいルール

こっちは細かいです。文字で説明しても読む気が起きないと思いますので、図でどうぞ。

wind-shield-front-glas-law

要約すると、

  • フロントガラスの上部から20%以内の範囲
  • フロントガラスの下部から15cm以内の範囲

のどちらかということを言っています。ちなみに原文は

前面ガラスの上縁であって、車両中心面と平行な面上のガラス開口部の実長の20%以内の範囲又は前面ガ ラスの下縁であって車両中心面と平行な面上のガラス開口部から150mm以内の範囲

です。また、

front-glas-dot

こういう上部中央付近のドット状になっている部分や

front-glas-colored

このように着色されている部分があったとしても同じように「開口部」としてカウントされます。つまり例外はなく全部窓ガラスとみなされるということです。注意しましょう。

ド真ん中になにかを貼っていたら当然前が見えなくなりますのでここは納得しやすいと思います。

3.ダッシュボード上に何かを設置するときのルール

適用法規
道路運送車両の保安基準第21条
細目を定める告示第183条

今回一番問題となる部分です。

大事なんですが、それと同時に最も複雑で理解しにくい部分でもあります。例によって図から。

car-law-21-183

この図は、車とその運転席から見える「ポール」を示していて、「そこから以下の状態のポールが作る範囲が見えなければいけませんよ」という説明をしています。ちなみにポールは高さ1m直径30cmの設定。

イ:当該自動車の前面から2mの距離にある鉛直面
ロ:当該自動車の前面から2.3mの距離にある鉛直面
ハ:自動車の左側面(左ハンドル車にあっては「右側面」)から0.9mの距離にある鉛直面
ニ:自動車の右側面(左ハンドル車にあっては「左側面」)から0.7mの距離にある鉛直面

「この範囲の中のポールがどこにあっても常に全て見えていなければならない」とまでは確かに書いてないんですが、普通に考えれば、

portable-navigation-ok.jpg

これはOKで

portable-navigation-ng.jpg

これはNGということになります。しかし、後述しますが車両に関する法規はかなり曖昧なので、実際には「なんとなくOK」みたいになっています。本当にやっかいです…。

「ポータブルナビをこんな風に設置している人、山ほどいるじゃん!」という話についてもここは一旦置いておきます。

ちなみにここまでの話は「乗車定員が10人以下の車」に限られている話で、そうでない場合は「運転者席は運転に必要な視野を有するものであること」という輪をかけさらに曖昧な制定となっています。

4.視界上方(サンバイザーやルームミラー)に何かを設置するときのルール

適用法規
道路運送車両の保安基準第21条
細目を定める告示第183条

最後はダッシュボード上ではなくサンバイザーやルームミラーの位置のような天井付近に何かを設置するときに気にするべき法規制です。

car-driver-eye-point

これは結構簡単で、「この図で言う赤い枠の範囲にはなにもあっちゃだめですよ」っていう感じです。原文は以下。

運転者席における運転者のアイポイントを通る水平面のうち当該アイポイントを通る鉛直面より前方の部分には、運転視野を妨げるもの(Aピラー、室外アンテナ、ドアバイザ、側 面ガラス分割バー、後写鏡、後方等確認装置、窓拭き器、固定型及び可動型のベント並び に保安基準第29条第4項各号に掲げるものを除く。)があってはならない。

これも人によって判断基準が変わるものですし、そもそも貼付物は前述した通り既に規制されているので共存具合も謎っていうのが正直なところです。

しかし「ダッシュボード上に運転視界がある」と仮定した場合、ポータブルナビの設置はこちらでもアウトとされてしまう危険性があります。

よく分からない感じなんですが、こっちも抵触しそうな雰囲気はたしかにあるので気に留めておきましょう。

実際車両のルールはかなり適当、もしくは「適当で良い」ことになってしまっている

今回この記事を読んで衝撃を受けた方もきっと多いはず。まさか「ダッシュボード上に何かを設置するだけで実は既にアウト」とは思いもよらなかったでしょう。

おまわりさんに捕まらないのはおろか、車検でも何も言われたことがないし「それ本当なの?」って感じでしょう。

そこが今回のポイントなんです。

ややこしいので警察は一旦脇に置いておくとして、車検はその検査官のさじ加減で全てが決まるため、全く同じ状態で車検に臨んでも通る人と通らない人が出てくるんです。

ここが車の法規制を最も分かりづらくしている原因だと僕は思っていて、だから人に聞いても「それ大丈夫だよ」って言う人と「それはだめだよ」って言う人で分かれてきちゃうんですよね。どのサイトでもこの辺の話がふわっとしか書いていない理由というのも、まさにここが起因していると思っています。

特にさっきの「直接前方視界(ダッシュボード上に設置する機器の視界要件)」で説明したダッシュボード上に何かを設置するときの話はかなり “なあなあ” になっているので、ここにポータブルナビを設置している人なんか普通にいます。というかそれが標準の設置方法のはずです。

まああくまでも「ドライバーの危険にならないように」みたいなニュアンスなので、しっかり安全確認ができれば自己責任、みたいなところがあるんでしょう。ただし仮に事故があったときにこの設置が関与していると判断された場合はさらに不利になる場合もあるので注意してください。

それと窓ガラスに何かを貼り付ける方の話は結構厳しくて、街中で警察に見つかるだけでしょっぴかれることもあるので絶対にやめてください。というか「捕まるからやめる」ではなく「普通に危ない」のでやめましょう、はい。

 

そんなわけで、ポータブルナビの取り付けに絞って一応結論を言っておくとするなら、

貼り付けは絶対にやめてダッシュボード上に普通に設置する。ただし十分に安全確認ができることが前提で、車検のときには念の為取り外すとなおベスト

みたいな感じでしょうか。

なんとなくイメージ分かりました??(結局自分の結論もふわふわしてしまう

おわりに

バッチリ決まっているはずなのが法律のはずなのにそうじゃないものってすごく多いです。特に最近はその「網の目をかいくぐる」じゃないですが、今まで法が必要なかったようなところで犯罪が発生するケースも多くてなんだかなあって感じです。

車関係は特にそれが多くて、やっちゃいけないことをやっている運転なんて一歩外に出ればしょっちゅう見かけるレベルですが、「赤信号みんなで渡れば怖くない」は絶対にやめるべきですよね。僕ら1人ずつがやめていかないと、そういう風土づくりはできないと思います。

2019年現在、車に関する信じられないニュースがかつてないほど舞い込んでくる昨今ですが、みんなで安全な車社会を作っていけるといいですね。僕たちからがんばっていきましょう!

なんか妙に本筋からずれましたが、それでは今回はこんなところで。また!

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みるめも

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