一般的な技術職のメリットの1つに「他の職種と比べて、比較的自由に働きやすい」というものがあります。
今回は、なぜこう言われるのか僕の視点で簡単に説明してみます。
要点は大きく3つです。
- 全体の風土は「大学の研究室」
- 作業分担志向による責任の自己管理
- 直近に外のお客さんがいない(ことが多い)
以上の 3つを軸にお話していきますね。
短めな記事なのでサクッとどうぞ!
はじめに:本当に自由に働けてるん?
この記事の説得力のためにも、まずは僕自身の話を少し。
勤めている会社は大手の電機メーカー。特にものづくりをメインにしてきた会社ということもあり、企業体質としてもかなり日本的で「技術者リスペクト」な風潮を感じます。
もちろん、メーカーなので流行りのIT系エンジニアだけではなくてハードウェアの技術者も多いです(というかものづくりだとハード、特に電気がメインになることが多い)。
- メーカーなどものづくりをする会社は企業年齢が高い
→堅実でしっかりとしたワークライフバランスの提供が多い(気がする) - IT系企業はスタートアップや若手中心の風潮が強い
→先進的な福利厚生や尖った働き方改革を多く取り入れている(傾向がある)
など、目指す技術職によって企業の雰囲気はだいぶ変わることも留意しておきましょう。
以下、少し現状の働き方に関する部分について紹介してみます。
フレックスタイム制
決まった時間(コアタイム)に会社に居さえすれば何時に行って何時に帰っても構わない、という制度。
多くはコアタイムが10時前後~15時前後というパターンで、うちも10:00~15:00です。
と思うなかれ!!
出社に関しては、定時より前から10時ギリギリを含め、本当にみんなの出社時間はピンキリです。「遅い人が少ない」とかも全くありません。
会社として長くそういう制度があるゆえに"当然になっている"というのが何より大切なポイントでしょう。
退社については、まあ15時って良い時間なので打ち合わせをしていることも多いし、残業をするならお尻につけるしかないしで、何も言わずに15時に帰る人がバンバンいるかというと、こっちはそうでもない感じです。
でも、例えば通院のような所用があるときもいちいち休みを取ったりせずにササッと帰れるというのはマジで助かります。僕は飲み会がある金曜はよく15時に帰ってます。
ちなみに、僕の会社では近々スーパーフレックスタイム制が導入されるらしいです。
「コアタイムがなくなる」という意味で、つまり何時に出社して何時に帰ってもOKということ。もちろん自分で就労管理がちゃんとできないていないと月の労働時間がマイナスってことにもなりかねないので、適切な自己管理は必須です。後述します。
残業
これはホントのホントにケースバイケースなので難しい。
僕の会社で一番影響度合いが高いのは「部署による」ってところだと思いますが、そうじゃなくても忙しいとき/忙しくないときもあるし…。
ただひとつ言えるのは、残業の管理もかなり個々人に任せられているということ。
これ自体ももしかしたら会社の特性なのかもしれませんが、技術職という性質上
- いつ残業するか
- どう残業するか
みたいな選択はかなり幅があるんじゃないかな?と思ってます。月ウン十時間とかのレベルで忙しいときはそうはいかないですけどw
残業について詳しくは別の記事でも書きましたのでぜひ。
最近の僕は残業はほぼないに等しいです。月10時間以内くらいで落ち着いてます。
ちなみに学生時代のバイトの店長は300時間超えでした(もちろんサビ残)。
休日
年間の所定休日は125日。
有給休暇付与数は25日/年。
これはなんというか、技術職はあまり関係ないような気はします…。
通勤手段
これだけは言っておきたいんですけど、ものづくりを仕事にすると快適な車通勤の環境が手に入りやすいというメリットは必ず覚えておくべきです。
ものを作るとなると、物理的なスペースや物資を必要とします。だから都内のオフィスビルとかで実際の技術部隊が働くことってけっこう少ないんですよ。
なのでちょっと都心から離れた郊外とか(運が悪いとド田舎w)に事業所・工場・会社が構えられていることが多く、エンジニアを目指すみなさんも多くはそういう配属になると思います。
僕が
と聞かれたら、給与でもフレックスでも休日でも会社の知名度でもなく圧倒的に「車通勤」です。そんくらいアドバンテージ感じてます。
死んでも通勤で電車に乗りたくない!!!!
謎に暑苦しい感じになってしまいましたが、ようやく次から、冒頭に紹介した3つの軸に沿って「技術職が自由な働き方をしやすい」ということについて説明していきましょう。
1.全体の風土は「大学の研究室」
ものを作ったり技術の開発をしている会社のイメージは、まさに大学の研究室が分かりやすいと思ってます。ブラック研究室にいた人はご愁傷様です。
「お金になるものをただ作り上げるために日々あくせくしている」というよりは、
「技術の開発自体を楽しみ、そしてそれを社会貢献のように捉えたりもしつつワクワク商品開発をする」という感じなんです。
これが技術職という仕事を形作っている最も良いポイントだと僕は思っていて、これが理由となって
|
などのような、なんというかおおらかな雰囲気というか、そういう働きやすい風土が出来上がるんだと思ってます。
これも「会社や部署やチームやプロジェクトによる」という前提は言うまでもなくあります。あくまでも一般論の話として受け取ってもらえると幸いです。
これがベースにあった上で、このあと紹介する2つめや3つめの要素も相まって、技術職はとても柔軟な働き方が許容されているのでは、というのが僕の考えです。
やや脱線しますが大事なことだと思うので追記しておきます。
この件は、同じ技術職で見たとしてもIT企業だとちょっと話が変わります。ITやソフトウェアの領域ではスピード感がかなり大切なので、「とにかく速いサービスリリース!」のようなイメージがあると思ってます。
対してモノが関わるメーカーだと、「まずは要素技術の研究開発をして技術の発展にも寄与しよう!」みたいな側面がかなりあるという点において、日々の業務イメージはだいぶ変わると思います。
もっとはっきり言うなら
- 「ITでは成果物の作成作業がメイン」
- 「ものづくりでは技術開発自体も商品開発と同じくらいメイン」
という感じでしょうか。極論すぎて反論もあるかと思うのですが、あくまでもイメージとして捉えれていただければと思います。
そういった細かい内容が集まり、その最終的な結果として、
- フレックスタイム制を採用している企業が多い
- 実際にフレックスがちゃんと使われている
- 好きなときに好きな仕事をしていい、枠組みに囚われない
などのような要素に結び付いている、ということでした。
2.作業分担志向による責任の自己管理
2つめです。
ちょっと難しい言い方をしてますが、要は「それぞれで上手くやってね」というパターンが技術職には多いよという話です。
技術職という仕事の性質上もしかり、従事する人のタイプの傾向しかり、「君はこれやって、あなたはこれやって、私の仕事はこれです」という風に、役割や担当を分担しようとする風土がかなり根強いんです。
これ自体は悪いことではないし、話が逸れるのでその是非は今は置いておくとして、ここから言えることは「そのそれぞれの担当(責任)の中で、自分の就労管理もちゃんとやってくださいね」という意図もすごく含まれているということです。
例えば自分が電気設計担当チームだったとしましょう。
そこで「◯◯に使っている部品を変更する検討をやってほしい」という仕事を振られたとします(例なのでざっくりですよ)。
当然その仕事の期限も一緒にもらいます。
そうすると、その期限までのその仕事を達成できさえすれば良いという構図になりますよね。
と思われるでしょうが、他の多くの仕事とはこの1つのブロックの中での自由度が違います。いつも「大学での研究開発を楽しくやっているような雰囲気」みたいな感じなんですよね、上手く説明できないんですが…。
つまり、良い意味での放任主義的なところがあるということ。
もちろん「仕事だけ投げられてほったらかしにされやすい」という意味では全くありません。むしろ逆。
技術職って、最も必要となる専門的スキルが若手や新人にないのは当然ですよね。もちろんそれはみんな分かってます。
だからこそ、投げられた仕事で分からないことがあるなら積極的に質問したり理解しようとしている姿勢を見せるのが大切なんです。
これさえできていれば、仮に自分のスキルが仕事に対して追いついていなかったとしても、かなり余裕を持った会社ライフを毎日楽しめるようになります。
ここはバランスを取れるようにさえなれば、毎日の仕事がぐっと楽になる上に自分の成長も狙えるので、おすすめです。
ただし、悪く言うと自己責任。
その与えられた大きなブロックの中で、なにもできずにまごついていて期限を迎えてしまうようだと、「今までなにしてたん?」ってなっちゃいます。こんなの万国共通ですけど。
しかしこの自己責任がすごくプラスに働いてくれるおかげで、自由なフレックス勤務(含:残業)ができたりなど、柔軟なワークライフバランスの設計ができるようになるということなんです。
実際のイメージをバッチリお伝えできている自信はないですが、なんとなく雰囲気だけでも伝わったでしょうか?
3.直近に外のお客さんがいない(ことが多い)
最後3つめは、やや偏った考え方かもしれませんが、話半分でいいので聞いてみてください。
ビジネス、もしくは事業というのは提供する側とそれを受け取るお客さんがあって初めて形になるものです。買ってくれる人がいなけりゃ商売にはならんという話ですね。
しかし提供する側をもうちょっと細かく見てみれば、その中で仕事をしている人には多くの種類があることが分かります。企画、開発、製造、マーケティング、経営、etc...みたいな。
で、技術職(特に開発/設計)は、この中でもお客さんとは最も遠い位置にいるという考え方が可能です。あまり明文化して言うのは良くないことですが、僕らは技術に注力して良いものを作りさえすればいいってことなんです(実際はそうあるべきでないですし、事実最近は変わってきている風潮はあります。しかし「技術職」というものに根強く残る文化としてこれについては知っておくべきです)。
ここまでくると話は簡単ですね。
自分の仕事のすぐ後ろにお客さんがいない(少ない)ということは、自分たちの仕事を待っていて催促してくるような存在がいない(少ない)とは考えられませんか?
もちろん、実際には僕ら技術の人間だって他社さんの方と仕事をするケースは普通にあります。
でも、例えば自社の下と上に挟まれて営業をやるような仕事よりかは、お尻を叩かれて切羽詰まるようなイメージは少ないんじゃないでしょうか。
…伝わります?笑
ただ1つ留意していただきたいのは、この話は同じメーカーであったとしてもBtoBかBtoCかによってけっこう話が変わる可能性があるというところ。詳しくは以下の記事でどうぞ。
以上が、今回お話したかった3つのポイントでした!
まとめ:自分で仕事を進められるタイプのあなたは技術職はとってもおすすめ!
案の定そこまで短くまとまってなかったですね()
今回の話を無理やり一言でまとめるなら以下でしょう。
自分で仕事をしっかり自己管理できる人は、技術職になれればかなり自由に勤務形態を組めるし、仕事自体も働きやすい環境にできる
はい。
実際、これは僕の性格にとても合っているものでした。
物事の進め方に関してはかなり我が強い方である自覚があるので、こういった仕事形態は毎日がめちゃめちゃ楽です。

ちなみに僕は型にハマった定型業務自体もめっちゃ好きです。「どうやったら0.1秒でも短縮できるか」みたいな究極を求めるのが普段からの趣味なので(キモい)
もしあなたも「そういう仕事の進め方がいい!」と思うなら、どんどん技術職への転職、もしくは進路決定を目指すべきです。これはもう間違いない。今は転職することは全く珍しい話ではなくなったし、転職の敷居自体も超下がってます。
やることと言えば、基本的には転職サイトに登録するだけ。→とりあえず無難に リクナビNEXT でいいと思います。
一応言っておきますけど、全て登録は無料なので複数登録するのが普通のレベルです。そりゃ数は多いほうが良いに決まってるので2~3個は登録しておこう(自分で取捨選択できる人は笑)。
というわけで、技術職で仕事をする上での労務上の大きなメリットについて実際の視点で解説してみました。
今の職よりもっと自由なワークライフバランスが手に入る仕事、必ずあります。
まずは小さな行動から始めてみて、大きくステップアップしましょう!
それでは今回はこの辺で。