みるめも

ゲーム音楽の演奏会においての権利問題は複雑な状態にある

ゲーム音楽の演奏会においての権利問題は複雑な状態にある
みるみ
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みるみ

歴17年の打楽器奏者。ドラムからマリンバまで何でもやります。吹奏楽オタク。

いつかまた音楽の日々を取り戻すのが密かな夢。

※最初に断っておきますが、この記事に登場する友人と僕とは演奏会の運営においていかなるつながりもありませんし、僕は友人の敵でも味方でもなくこの問題に関してはあくまで中立の立場を取っているということをご理解ください。僕が思ったことを記事にしているだけですから、この部分に関してのお問い合わせには一切お答えできません。どうかご了承ください。

では、改めて。
少し前だけど、友人が主催するゲーム音楽の演奏会へお客さんとして行ってみた。

けっこう前の段階から権利関係の色々な問題があるという話を聞いていたのだけれど、演奏会当日までてんやわんやしていたようで、「イチお客」として行った僕も「???」なところが多く、考えさせられるものが多かったので文字にしてみます。

問題の概要

「権利関係の色々な問題」といっても、中身はすごく簡単です。要するに「演奏する楽曲の演奏許諾を取得する?」という話。

著作権、もしくはより広義な知的財産権の話を聞いたことがある方は少し思い出してみてください。誰かが作った音楽には自動的に著作権が与えられ、それを著作者以外が公開・演奏などをするときは許可が必要になる、っていうあれですね。

じゃあ世の中の音楽コンサート全てそんなことやってんのかよ!と思われた方、もちろんそうですよ。大々的にやってるものに非合法のものはまずないはず。まあここが今回の記事の趣旨になるんですが。

例えばクラシック・オーケストラなんかを思いつくと思うんですが、あれは時効みたいな感じで著作権が切れています(50年)。だから昔のクラシック作曲家の演奏なんかは問題がないわけですね。

そんでゲーム音楽にも当然作曲者がいるわけですから、権利はそこに帰属しますよね。しかも亡くなっていないケースがほとんどだし。

ただし他とちょっと違う点としては、ゲームの場合は作曲者個人に権利が付与されることは少なくて、だいたいが開発したメーカー、もしくは発売したメーカーなんかに帰属します

ですから同じ手順を踏むとするならば、たとえばマリオの曲を演奏したかったら任天堂に許可を取らなきゃならん、という話になってくるわけです。つまり、一般的に知られているJASRACという団体に信託されているケースが少ないというのがゲーム音楽の大きな特徴なんですよ。

ただし色々例外はあって、例えば任天堂でも非営利、つまり演奏会でお金を取らなければいい、みたいなケースもあります。JASRACでもそう。

前置きが長くなりました。
で、このように手間やお金がかかるわけですから、「気付かれないんだったらなるべくなら申請とかしないでやっちゃお!」な状態がこの界隈で今問題になっているわけです。

内包する問題

僕からすると。

ゲーム音楽演奏の運営の立場にいたことはないしこれからも別にしたいと思っているわけでもないので、正直言うとこの問題自体は本質的にはどうでもいいと思っています。

ただし、ゲーム好き、ことゲーム音楽好きからすると見過ごせない問題をこれら諸々はたくさん抱えているので見過ごせないなと思っているんです。

分かりやすくするとこう。

  1. 上で話した流れでグレーなまま演奏会を開催する
  2. 方々から苦情が来る(もちろん当然のことです)、見つかった場合は世間的にも物理/金銭的にもペナルティ
  3. じゃあ俺たちも○○演奏会したかったけど危なそうだしやめよー

ということ。ゲーム音楽の演奏会自体が減ってしまうのでは?と危惧しているんです。

こうなってしまう原因として僕が考える一番大きなものは、「このゲーム音楽っていうジャンルが今ちょうど過渡期に差し掛かっているから」だと思う。

ルールというのは、必要になってから考え出されます。ありもしないもののために法律は制定されないですよね。誰も思いつきようがないし。

盛り上がってきて、みんなが盛んに演奏活動を始めるようになってきた今だからこそ、ようやくこれらの問題が浮き彫りになってきたと考えるのが自然じゃないでしょうか。

今までは数も多くなかったから「グレーでもまあちょっとならいいか」と見過ごされてきたのも、数が多くなってくるとやっぱりそうはいかない。しかも正当な方法で真面目にやっている方からすれば、白くないのは許せない。「私たちは苦労したのに、なんであいつらは」ってなるのが人間の当然の心理でしょう。

一般普及化する流れなのに、それを止めてしまう矛盾

こうなってくると単純に、せっかく数が増えてきた演奏会の企画のうち頓挫するものも増えてしまうわけですよね。なんとも皮肉な話です。時代にはいつも変化のときにある人たちがいますが、僕らはちょうどその頃なんでしょう。

今までゲーム音楽の演奏会どころか、ホールに行ったことがなかったような人たちが音楽を楽しめるいいきっかけが増えている事実に数年前から僕はかなり喜んでいたんですが、正直悲しい。でもあれですよ、何度も言いますがだからどんどんグレーでやれよ、とかそういう話じゃないですよ。むしろ決められたルールは守ってなんぼっていうのが僕の意見には近いです。

今のまま行くと、これまで右肩上がりで来たゲーム音楽ブームのグラフは停滞するどころか下へ向かって行ってしまうと思います。それを防ぐためには、ルールの制定、いや、というよりはちゃんとした規則に則って演奏をするのが当たり前な風潮を作ることでしょうか。暗黙の了解というか。

ただ問題なのは、関連する法律は既にあるわけなんだけれど、細かいところは確かにはっきりしていない部分もありそう、というところ。メーカーや権利を持っている所によって独自のルールが設けられていることすらザラにありますから、この辺がキーポイントなんでしょうかね。

「イチお客」として思うこと

ゲーム音楽のブームが来ているとは言うものの、実は関わっている人間の数はそこまで多くない、と思っています。つまり、この界隈で運営する立場にいる人って正味の人数だと少ない=同じ人たちがたくさんの数の企画に関わっているんだと思います。最初に話した友人もそんなようなことは言っていました。

そしてこれも要因の1つになっていると考えてます。

関わる人数が増えなきゃ問題提起しても影響は薄いし、出る意見も少ない上に偏りやすいです。最近は権利の問題とかも含め、観客側も内情についてなんとなく雰囲気を分かってきた感じがあるから、そういう意味ではこの状況は肥大化させられるかもしれないけど。しかしそれは「本当にそうすべきか?」と言われるとデリケートですごく難しい話しではある。

単なるお客にしかすぎない僕に言わせてもらえるなら、もっと演奏会はバンバンやってほしいし、色んな曲を聴きたいんです(実際ゲーム音楽系演奏会で見かけるゲームタイトルは権利の問題含めて、同じようなものがかなり多い)。

ある程度のセミプロぐらいのオーケストラだったりすると、お客さんからまとまったお金を取れるからしっかり金銭払って許諾取るっていう普通の流れが実現するんだけど(それでもそれだけのお金払う価値のある演奏かと言われると「?」なものはわりと多い)、アマチュアだとそうもいかないじゃないですか。

非営利でも許諾が下りない楽曲を扱いたいときは八方ふさがりになってしまう。お金が絡むとなんでも問題はさらにこじれますね。

どういう解決方向が望ましいのかな。近いうちに何か良い変化があるといいんだけども。

おわり。

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