技術職が気になる人が一番不安に思うことは
ってことでしょう。
いいですか?
まっっっっっっったく問題ない。
これがどういうことか、というのをこの記事では説明しています。
そして後半では
- 「スキルアップ」と呼ばれるものはなんなのか
- それにはどんな方法があるのか
の紹介もしています。実際の職場の雰囲気が分かるよう、いつも通り僕の体験をベースにしてお話します!
転職を考えている方にはぜひ参考にしてほしい内容ですのでよろしくお願いします~
技術職に求められるスキルには「2種類」ある
技術職をはじめとする専門職では、「専門というくらいだから特別なスキルや能力が必要なんだろう」と思われがち。
漠然とそう思われていることが多いですが、その先までをちゃんと考えたことがある人は実はあまりいません。なので今回はもうちょっと考えてみましょう。
僕が今回切り分ける「2種類」は、
- どこへ行っても役に立つ「全ての基礎となる技術スキル」
- そのプロジェクト、分野で必要な「比較的有効範囲の狭い技術スキル」
というもの。
つまりは「汎用性」による分類ですね。
そして、技術職に就く前からこの考え方を知れたあなたはかなり有利です。
なぜなら自分のスキルアップに利用する時間の使い方を最大限有効活用できるから。これは後述します。
また、「転職/就活してみたいけど技術の知識なんてないしムリ」という方にも今回はぜひ知ってほしい話です。「入社する前から持っているのが前提のスキル」なんてあってないようなもんなので(※)、そんなところを不安に思って転職/就活を最初から諦めてしまうのはもったいないし絶対にやめてほしいな!って思います。
※もちろん既にエンジニアである人が転職先を探すような場合などは全然話が別です。反対に「業界は知っているけど理系じゃない」「理系出身だけど技術職は未経験」など、そういう方たちが今回は対象になると思っています。あとはもちろん新卒入社の学生さん!
以下、それぞれについて詳しく説明します。
この2種類の分類は、一般的に言われているものでもなんでもありません。ただ僕が勝手に言っているだけ。でも技術職の人間はみんなこれを意識せずとも理解しています。こうやって明文化する人は少ないですが、きっと共通認識であると確信しています。
①どこへ行っても役に立つ「全ての基礎となる技術スキル」
まずは1つめの「どこでも役立つ基礎スキル」。
つまり技術の汎用性が高い方ってことですね。
最初に断っておきたいんですが、当然ながらこの汎用性の線引きはときどきで変わります。
どこまでが場所を選ばず役立つスキルなのか、というのは
- 業界
- そのプロジェクト/扱う製品
- 話の文脈
- 年齢、経験年数、その他周りの環境
などによって変わります。なのでフィーリングで読んでください()
しかし、技術職になるならこれだけは絶対に分かっていて欲しいという「考え方」というのは存在します。これはもう、「知識」ではなくて「考え方」のレベルです。逆に言うとこれさえクリアできていれば絶対技術職に向いていると僕は思います。
ここは詳しく話したいところなので記事を下記に分けてます。
今回言う「どこでも役立つ基礎スキル」とは、例えば以下のようなものを指しています。
- 基本的な数学知識、計算能力
- グラフや表の見方などデータの分析力
- 「実験」や「測定」というものに対する正しい知識、考え方
- 測定器、テストツールなどよく使うものの使用スキル
- PCの知識(特にExcelの使用スキル!!!)
見ていただいて分かる通り、これらは仕事を選ばず役に立つチャンスがあります。もっと言うと、これらの技術がないと一人前の技術者とは言えないレベルでしょう。
これに例えば「電機メーカーで入社2年目~4年目くらい」という仮定がプラスされたとしたら、
ハード(電気、機構)
- 回路CAD、基板CAD、機構CADで指定された図面は設計できる
- 基本的な部品の選び方、特性を理解している
- 他社への発注の仕方が分かる、出図(図面を提出してモノを作ってもらうこと)のプロセスを理解している
ソフト(プログラム)
- 要求された機能から要件定義までそこそこ落とし込める
- 詳細設計された仕様からコードを生成できる
- 他者が書いたコードに対してレビューで理論的な指摘ができる
みたいなものも入ってくるでしょう。「ハード」や「ソフト」など、技術メーカーでの専門分類については下記記事を参照してください。
ここまで来ると一般の人からすると「かなり専門的」に思えるでしょうが、技術職内で言えば「ようやく"おもり"が要らなくなったか」くらいの感じです。でもこれって、もうどこのプロジェクトへ行かされても仕事はちゃんと任せてもらえる状態になっているということも意味しています。ほら、「場所を選ばず役に立つスキル」でしょう?
今は少し深い例を出してしまいましたが、例えば最初に挙げた方の例なら「全然大したことないな」って思いませんか?
- 基本的な数学知識、計算能力
- グラフや表の見方などデータの分析力
- 「実験」や「測定」というものに対する正しい知識、考え方
- 測定器、テストツールなどの使い方
- PC、Excelの基本的な使い方
過小表現しているわけでもなんでもなく、マジでこんな雰囲気です。あまり大きな声では言えないけど、山ほどいる「給料はたんまりもらってるのになんにも役に立たないおっさん」とかは、総じてこの部分から瓦解してます。もしくはこの部分にだけ異常なこだわりを発揮する通称「視野ゼロおじさん」。まさに一人前の技術者とは言えないレベルです。
僕がこの章で言いたかったのは
技術職と呼ばれる仕事に就くための最低スキルは実は"これ"(上述した箇条書き)くらいしかありません。 |
ということでした。
そして最低限一人前として認められるくらいのイメージとしても例を挙げましたが(2つめ)、これも実務にあたっていれば特に意識しなくてもできるようになることです。そんなレベルです。
「その道のプロ」と呼ばれるような技術者は、次に話す②の技術スキルが抜きん出ている人であったり、そもそも「ベテラン」と呼ばれる40代以降のおじさんたちであったりするのが普通です。
なので、今が理系の人はとりあえず転職サイトを使って気になる求人を覗いてみるくらいの価値は絶対にあるはずですし、そうじゃない人もメーカー技術職に興味があるならまず登録はしてみるべきです。
僕だって新卒とはいえ、学生の頃はちゃらんぽらんしてただけなのになぜか今の会社に入れたクチでなんとかなってるので、ほら、大丈夫ですよ(説得力ゼロ
転職サイトの使用は完全無料、放っておくだけで求人をどんどん紹介してくれたりと良いこと尽くしなのでぜひ使いましょう。ちなみにおすすめしている転職エージェントサイトはマイナビジョブ20's。
②そのプロジェクト、分野で必要な「比較的有効範囲の狭い技術スキル」
「2種類」あるうちの2つめ、「比較的有効範囲の狭い技術スキル」についてです。
これはその製品やプロジェクトならではの知識や技術、つまり汎用性がそこまで高くないスキルのことを言っています。
例えば、
- 空気清浄機の加湿機構の開発
- ICカードリーダーの認識部分の設計
- 水銀プロジェクターの光源開発
- 配電盤の高圧電源の設計
みたいな例。
これらはそれぞれがすごく独立していて、その業務から離れることになったらそれ以外の製品プロジェクトではほとんど使えなくなってしまうことが想像できますよね。
今までの仕事が「自動ドアを動かすモーターの開発」だったのに次に任された仕事が「銀行ATMのタッチパネルの開発」だったら、モーター開発で得た知識は全然利用できなさそうだよねってことです。
と思った方、鋭い!
それがさっきの「1つめ」にあたる「どこででも通用するスキル」ってことですよ。「線引きはときどきによって変わる」と言ったのはこういうのも含んでいるということ。
だから企業はコアとなる技術開発をして、それを横展開していくような事業経営をするわけです。技術者(社員)が学んだスキルをなるべく多く再利用できた方が会社が成長しますから。
でも、これを聞くと
って思っちゃいますよね。分かります。
でも。
ここでいう「その製品ならではの専門知識(=汎用性低)」は、たとえさっきの「ベテラン」と呼ばれるような人であったとしても、ここに関しては完全に初心者と言えますよね。
新しい技術に関してはみんな素人です。必ず勉強が必要です。
今回一番伝えたいのはここ。
例えば、ある製品の開発に携わっているある会社の人を無作為に抜き出してみたら、たしかにその人はその製品について詳しいでしょう。一般の人は全く知らない知識を持ち、経験があり、「専門スキルがある」と言って良い状態だと言えます。
でも、最初からそうだったと思います?
絶対に、物事にはスタートがあるはずなんです。0はいきなり100にはなりません。必ず1を辿ります。
ここをちゃんと頭で分かっておかないと、「自分はそんな能力を持っていないから」と一生思い続けてしまって自分の可能性を潰し続ける恐れがあります。
仕事に限らず、新しいことを始めるときはなんでもそうですよね。最初は苦労します。最近だと僕はランニングを習慣化するためにこれをめちゃ経験した…。
というわけで、ここまでのまとめは
「技術職」に最初から求められているものは実はそんなに多くない。 |
という感じになります。
まあ、もちろんベテランは新しい技術の習得も速いに決まってます。
それはいわゆる「長年の勘」みたいなものだったり、「経験からくる予測」とか、そういう積み重ねの違いです。これはしょうがない。こうなりたいために、「みんな頑張って日頃の研鑽(=今回の記事でいう①のスキル)を積みましょうね」となるわけです。
じゃあどうやったらその「①のスキル」について自分の能力向上ができるか?というのが次からのお話です。
どうやってスキルアップするかの5つの方法
ここからは「スキルアップ」というめちゃめちゃ抽象的な言葉について、「実際なにをどうやんのよ?」に対しての僕の考えを書いてみます。
一応①の「汎用性が高い技術」にフォーカスしているつもりですが、例によってそこに明確な線引きはなく、もちろん②にだって活かせることはたくさんあります。
それと、前述した「自分のスキルアップに利用する時間の使い方を最大限有効活用できるからあなたは有利」という話はここに関連しています。
「自分がなにについて勉強しているのかを常に意識できる」というのは最強です。目的を見失わないから。
だから、「それを技術職に就く前に理解できたあなたはとってもアドバンテージがありますよ」と申し上げました。
というわけで、以下5つ、挙げていきます。
1.先輩、ベテランおじさんに聞く
もうこれ。圧倒的にこれ。
一番身近に歩く大辞典がごろごろいるんだから、これを利用しない手はありません。しかも適切に質問したら最適な返事を返してくれる機能付きです。
多くの会社でもそうだと思いますが、僕の会社でもOJTといって「新人に2年間なんでも教えてくれる人が付く」みたいな制度がありました。
僕はめちゃラッキーでした。会社でもトップクラスの天才おじさんの下に付くことができたんです。その人も「電気とソフトのハイブリッドで制御設計のプロ」という秀逸な人材だったので、僕も今同じような立ち位置にいることができています。マジで人生の転機だったかも…。
とにかくなんでも質問するべきです。
でもそのうち気付くのは、「適当に質問しまくっていても何も得られないな」ということ。
となると
- どこについて質問するのか明確にする
- より自分が欲しい回答を得るためにはどう訊けばいいか考える
- 質問の方法自体を考える
などを必死で実践するようになります。そこで詰まってたら仕事が進まなくて自分が困るわけですから。
で、これらのプロセスを経ることによって、普通に質問をするだけの状態よりさらに理解を深めることができるんです。ここまで含めて自分の成長です。僕はこれをすごく実感できました。
技術職の仕事に限らないですが、若手の成長スピードで最も差が出る要因はこの「先輩・上司の使い方」です。間違いない。
だから理系職でもコミュニケーション力は大切なんです。「あまり他人とのコミュニケーションを好まない人はエンジニア職がおすすめです」とか言っているやつは滅べばいいと思ってます。そんなやつとは僕は仕事をしたくない(マジでそういう仕事紹介をしているサイトは未だにあります)。
とにかく「人」に頼ろうという話でした。
2.書籍を読む、会社の資料を漁る
定番ですが、本は読むべきと思います。
勉学に関する分野では特に書籍に頼るべきです。それは世のデファクトスタンダードは時間が経っても変わりにくいから。
例えば「ネットで100万円稼ぐ10の方法」みたいな本があったとして、2010年に出版されたものと2015年に出版されたものでは、書いてある中身は全く違うと思います(そもそもタイトルからしてクソの役にも立たなそうなのは置いておいて)。
でも、学問や技術の世界ではこれは起きにくいです。むしろ研究が成熟されているので、名著に出会えればその後ずっと自分の血肉となってくれる可能性が高いです。
もちろん「IoT」とか「自動運転」みたいな最先端真っただ中の分野は別ですよ。今話しているのはそういう②に該当するような部分ではなく、学問的に色んな技術の基礎になるようなもの(数学、物理、電気、コンピュータシステム、情報科学などなど)のことです。
技術系の会社に在籍していれば、スキルアップ目的で書籍購入の予算を取ってくれることは珍しくないでしょう。僕もちょうど今日、自分が読みたいプログラミングの本を2冊発注させてもらったところです(全然仕事に関係ないどころか副業で使うための本だけど上司はよく分かってないから「自己研鑽に積極的なヤツだな」と思って買ってくれる)。
利用できるものはどんどん利用しましょう。
また、あまり他のサイトでは書いてないだろうと思われるのが「会社の資料を漁る」です。
当然その会社の売りになっている技術や製品についての知識が蓄えられるのはもちろん、社内勉強会みたいな資料も絶対転がっているはずなので、それらを徹底的に読み込むのがおすすめです。
僕も入社してからはずっと色んなサーバーやDBにアクセスしては資料漁ったりっていうのを繰り返していました。
ここで集めた情報から分からないところを自分でまとめる→先輩たちに質問、と組み合わせるとなお理解が深まりますしね!
3.セミナー・講習会などに行く
この業界では、セミナーというものが色んなところで頻繁に開催されています。規模も主催者も様々、その性質は多岐にわたります。
1回50,000円とかするのが普通なので最初は目ン玉飛び出ましたが、考えてもみてください、そんな高額な講座、個人で行けますか?そう、会社がお金出してくれるんだからどんどん行くべきなんです。
とか言いつつ、僕は外出が面倒なのであまり好んで行かないんですが、たまに行くとやっぱりすごい勉強になるなあって思います。なにより「もっと色んなことを知りたいな!」っていう知識欲がすごく湧いてくるというか。
これも「どんどん利用するべきもの」に入りますね。
ネットの副業業界にいると「セミナー」ってワードだけで地雷で、ましてやそれが「高額」ともなると「あちゃー!」って感じなんですが、もちろん今回話しているのはそういうもんじゃありません。業界の権威みたいなおじいちゃん(クソ頭いい)がめちゃ濃密に色んな講義してくれたりします。もちろんハズレもあるんだけど…。 |
4.ネットを漁る
なんだかんだこれも重要なソースになります。
実務でもネットで調べた解説サイトとかにお世話になりながら設計をすることって普通にありますし、細かい知識はやっぱりしょっちゅうググりますよね。まあこれはプログラム寄りな分野の方が多いかな。
それにしても、昔ながらのHTMLサイトとかで技術解説してくれているサイトとかって本当に助かりますよね。ずっとなくならないでほしい。
5.自分が興味のある技術を見つける
ここは他のサイトなら「自分で勉強する」などと書いているところ。
でも僕はそう書きません。
なんでかって?そりゃ仕事以外で自分から勉強したいなんて人は少数派だからです。綺麗ごとを言う前にここはちゃんと理解しておく必要があると思ってます。
でも、「自分が好きでとっても興味のある技術を見つける」ならどうでしょう。
好きならそのままそれを調べたり、自然に興味を持って勉強したりするようになると思いませんか?
まあぶっちゃけ屁理屈なんですが(最低)、要は気持ちが大事だよってことです。僕もこの考え方のおかげで今まで随分救われてきてます。
なんだかんだ自分が担当になった分野は好きになる現象はやっぱりあるみたいで、僕もそれまで興味がなかった業界でも、今はそこに関するワードを聞くと「おっ」って思うようになりました。人間は単純です。
自分のモチベーションさえも上手く利用してスキルアップしよう!ということでした。
まとめ。「メーカーに就職する人が皆最初から専門知識があると思いますか?」
まとめです。
ブレブレで何が言いたいか分かりにくい記事であることは自覚してますので、最終的に言いたいことを要約します。
「技術職」というものはみなさんの多くが思っているような「専門知識がないと寄り付けないようなお硬い仕事」では全くなくて、実は基本的なことの積み重ねでしかないんですよ
という感じでした。
もっと言うと、本文中にもリンクを貼った「最低限必要な物の考え方」みたいなところさえあれば、正直完全未経験者でもマジで問題なく転職できます。
それに比べたら、今この記事を読んでくださっているあなたのような方のほうがきっと熱意も考え方も遥かに上回っているに決まってます。そしてその熱意は、そのままスキルアップの度合いに繋がっていくのはこれまでお話した通りです。ね?なんだかいける気がしてきませんか?
というわけで、今のタイミングで全然スキルがないからといって技術職への転職を諦める必要は全くありません。
とにかく、マイナビジョブ20's のような転職エージェントをガンガン利用するのが最速の転職成功方法です。実際に担当が付いてあなたにあった会社をどんどん教えてくれるので、転職に本気なら絶対こちらの方がいいでしょう。
良い求人はすぐなくなるので登録するなら明日より今日!です!!
意外にも長くなってしまいましたが、「技術職のスキル」という点について現役技術者が思うところを色々お話してみました。
何をどう勉強していて、それらのスキルはどう区別されているか、のなんとなくのイメージは伝わったんじゃないでしょうか?
しかもその「汎用性の高い基礎技術」は、習得も難しくない上に一生役に立つ。まさに手に職つけるって感じですね。
まだ"基礎技術"もないような仕事を続けますか?
今日からちょっとだけ、変わってみませんか?
楽しいエンジニアの世界でお待ちしてます!!